レディング大学のスカーフ教授とそのチームが実施した画期的な研究で、大学の試験において人工知能（AI）が書いた解答が人間の学生が書いた解答よりも優れていることが明らかになった。
研究者らは、AI が生成した評価の回答は、人間の評価者によって評価された場合、「 実質的に検出不可能」であることを発見した。これは、学術上の不正行為に対する懸念の高まりと、教育評価における AI の使用に対処する必要性を浮き彫りにしている。
この研究では、大学の心理学の学士課程の一環として、 ChatGPTを使用して公式の「自宅試験」に回答する33人の偽の学生IDが作成されました。
その後、AI が生成した回答は、実際の学生が書いた回答とともに評価のために提出されました。この研究について知らなかった採点者は、AI の回答に人間の回答よりも高い成績を与えました。
実際、AI の提出した答案の 83% は、実際の学生の回答よりも良い点数を獲得しました。これは、AI の優れたパフォーマンスを考慮すると、学生のパフォーマンスを評価する公平性と正確性について重大な疑問を提起します。
AI利用による学術上の不正行為への懸念
この研究の驚くべき結果は、AIが教育分野に与える即時的な影響について大学の間で懸念を引き起こしている。
学生たちは、現在の検出システムの不備を利用して、AI を使って不正行為をするケースが増えています。授業や小論文などの評価方法を削減すべきだという声がある一方で、責任を持って倫理的に AI を教育実践に取り入れるべきだという主張もあります。
Ucas 入学サービスが実施した調査によると、学生の 53% が試験の準備に生成 AI を使用していることがわかりました。ただし、現在の AI 検出ソフトウェアは AI 生成コンテンツの検出にほとんど成功しておらず、不正行為を特定する責任は人間のマーカに委ねられています。
AI検出ソフトウェアの不備
AI検出ソフトウェアによる「誤検出」率が低いため、大学は学生の不正行為を告発することをためらう。これにより、AIが生成したコンテンツを識別するのは人間の採点者に負担がかかるが、AIが高度化するにつれて、これはますます困難になっている。
レディング大学が実施した調査では、現在の AI プロセッサが「チューリング テスト」に合格していることが実証されており、これは経験豊富な審査員に検知されずに合格できることを意味します。
大学にAIを倫理的に受け入れるよう求める
評価における AI がもたらす課題が広がる中、大学に対して AI を倫理的に積極的に受け入れるよう求める声が上がっています。
オックスフォード大学、ケンブリッジ大学、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンなどのトップ大学が加盟するラッセル・グループは、教育と評価におけるAIの倫理的使用を認めることを約束した。
AIの使用による学生のスキル低下のリスク
さまざまなタスクで回答を生成し、支援を提供できる AI ツールが利用可能になると、AI の支援なしで批判的思考、分析、および文章作成に取り組む学生の能力が妨げられる可能性があります。
バーミンガム大学の法学、倫理学、情報科学研究員であるカレン・ユン教授は、学校や大学の試験でAIの使用を許可すると、学生の「スキル低下」という独自の問題が生じる可能性があると述べた。